マダニ予防

ハナノカイヌシ

2018年08月26日 18:55

当院地方は田舎(失礼)のせいか、
「うちの子、ダニなんてついてるの見たことないから、
マダニのお薬なんて使わなくていいわ~」
って言っている人、結構いるのですが、
そういう方に問いたい。


あなたのわんこのモフモフの体に、こんなマダニがついていたとして、
ちゃんと見つける自信はありますか?

ゴマ粒どころか芥子粒(アンパンにくっついているツブツブ)よりも小さいです。
「おなかにマダニが付いている」と言って見せられて、
一瞬「汚れですよ」と言おうとして、よく見たらやっぱりマダニでした。
肉眼でかろうじて足が見える程度。
飼い主さん、よく見つけたなあと思います。
すごすぎる…。

マダニの駆除は、マダニに刺されないことを目的としているのではなく、
マダニが媒介する感染症を予防することを目的としています。

マダニはいろいろな病気を発症するのですが、
一番怖いのはバベシア症ではないかと思っています。

西日本に多く、長野県ではほとんど発症がない病気ではありますが、
最近は温暖化が進んでいるので、いつ長野県で発生してもおかしくないと思っています。
(長野県、観光が盛んでいろんな地域からわんこ連れて人が来ていますし。
そのわんこがバベシア持ったマダニをお土産で置いていく可能性は十分あります。)


先日も血尿・膀胱炎で治療してもらったのに、
翌日どんどん体調が悪くなってきたと言って転院してきたわんこが実は血色素尿で
ひどい溶血性貧血を起こしていて、大量輸血が必要そうだったので、
慌てて輸血のできる病院へ転院してもらったものの、治療の甲斐なく亡くなった
ということがありました。
(血色素尿:血管の中で赤血球が壊れて赤血球の赤い色素がおしっこの中に出てくること。
血尿も血色素尿も同じような色ですが、
血尿だと遠心分離すると赤血球が沈殿して黄色いおしっこと赤い沈殿物に分かれるのに対し、
血色素尿だと遠心分離しても全体が赤いままです)

その子もマダニのお薬は使ってなかったということで、
「まさかバベシアじゃないよね」と不安になりました。


バベシア症、有効な治療法も確立されていませんし、
一生見たくない病気なので、皆さんちゃんとマダニ駆除してくださいね。



あづみの動物病院
安曇野市豊科4311-1
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